10月のユーロ圏インフレ率10.7%、6カ月連続で過去最高更新

EU統計局ユーロスタットが10月31日に発表したユーロ圏の同月のインフレ率(速報値)は前年同月比10.7%で、前月の9.9%から急上昇し、統計を開始した1997年以降の最高記録を更新した。ロシアのウクライナ侵攻でエネルギー、食品などが値上がりする状況に歯止めがかからない状況だ。(表参照)

最高を更新するのは6カ月連続。分野別ではエネルギーが41.9%、工業製品が6.0%、サービスが4.4%の上昇となった。欧州中央銀行(ECB)が金融政策で重視する基礎インフレ率(価格変動が激しいエネルギー、食品・アルコール・たばこを除いたインフレ率)は5.0%で、前月から0.2ポイント拡大した。

ユーロ圏19カ国では半数を超える11カ国でインフレ率が2ケタに達している。主要国はイタリアが12.8%、ドイツが11.6%、スペインが7.3%、フランスが7.1%だった。

ECBは急激な物価高に対応するため、7月に11年ぶりの利上げを実施。9、10月には通常の3倍となる0.75ポイントの大幅利上げに踏み切った。ユーロ圏では7~9月期に景気が大きく失速したが、ECBは物価抑制を優先し、次回の政策理事会で追加利上げを決める見通しだ。上げ幅に関するアナリストらの予測は0.75ポイント、0.5ポイントと分かれている。

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