スチレンモノマーでカルテル、EUが欧米5社に制裁

欧州委員会は11月29日、欧米の6社の化学メーカーが合成樹脂の原料となるスチレンモノマーの仕入れでカルテルを結んでいたとして、うち5社に総額1億5,700万ユーロの制裁金支払いを命じたと発表した。英イネオスはカルテルを通報し、摘発に協力したため、制裁を免れた。

制裁対象となったのはポーランドのシントス、オーストリアのサンポール、米トリンセオ、英シントマー、オランダのシンブラ。制裁額はシントマーが約4,401万ユーロ、トリンセオが約3,262万ユーロ、シントスが約3,250万ユーロ、サンポールが約3,172万ユーロ、シンブラが約1,721万ユーロとなっている。

スチレンモノマーはポリスチレンやABS樹脂などのプラスチックのほか、ゴムや塗料の原料となる化学物質で、自動車部品、家電製品、事務機器、粘接着剤など幅広い製品に利用されている。

欧州委によると、イネオスを含む6社はスチレンモノマー生産会社と仕入れ価格について交渉する際、談合して価格を引き下げていた。カルテルの期間は6社によって異なるが、2012年5月から18年6月末にかけて行われていたという。

欧州委は18年6月、関係各社に対する立ち入り調査を実施し、事実関係を追及していた。

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