男女賃金差解消法案、加盟国と欧州議会が合意

EU加盟国と欧州議会は15日、男女間の賃金格差の解消に向けた新たな法案の内容について合意した。雇用主に男女の賃金格差に関する情報の開示を義務付けることが柱。新ルールは欧州議会、加盟国の双方が最終承認した上で発効となる。

EUでは約半数の加盟国で賃金の透明性確保に関するルールが導入されているが、女性の賃金は同じ労働条件の男性と比べて平均13%低い。このため、欧州委員会は2021年3月に同法案を発表していた。

合意案によると、従業員が100人以上の雇用主を対象に、男女間の賃金格差に関する情報を開示することが義務付ける。250人以上の場合は毎年、150~249人では3年に一度の開示を求められる。新ルールが発効してから5年後には、100~149人の雇用主にも3年に一度の開示義務が生じる。

このほか、◇雇用主は求職者に対して、事前に初任給に関する情報を伝える◇従業員は同じ労働条件の異性の賃金水準を知る権利を持つ◇男女の賃金格差が5%を超え、その格差に正当性があることを立証できない場合は、雇用主は是正を求められる◇男女差別で賃金が低い従業員は、補償を受けることができる◇新ルールに違反した雇用主には、各加盟国が罰金を含む制裁を科す――ことなどが決まった。

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