メルセデスがポーランドにBEVバン工場

自動車大手のメルセデスベンツは12日、ポーランド南西部のヤボルに完成車工場を建設することで同国政府などと基本合意したと発表した。開発中の電気自動車(BEV)バン専用プラットフォーム「VAN EA(バン・エレクトリック・アーキテクチャー)」をベースに大型バンを製造する。同社は米スタートアップ企業リヴィアンと東欧にBEV大型バン工場を設置することで9月に基本合意していたが、リヴィアン側の都合で破談となったことから、工場を単独で建設・運営する意向だ。最終的に投資を行うかどうかは補助金などを踏まえて決定する。

ヤボルではすでにエンジンと車載電池を生産している。新工場への投資額は明らかにされていないが、10億ユーロを超えるとの報道がある。

同社は9月、大型バンの欧州生産ネットワーク再編方針を打ち出した。車両のBEV化に伴い変動費が大幅に増えているうえ、大型バン市場への競合の新規参入で競争が激化していることを受けた措置。ヤボルに設置予定の新工場では既存のバン完成車工場と異なり、もっぱらBEVを生産することからコストを抑制できる。ドイツ本国に比べ人件費が低いことも大きなメリットだ。

再編計画ではこのほか、独デュッセルドルフ、西ビトリア工場でもVAN EAベースのバンを生産する予定。独ルートヴィヒスフェルデ工場では2024年春から「スプリンター」の電動モデル「eスプリンター」の生産を開始するほか、カスタムBEVバンのコンピテンスセンターを設置する。VAN EAを採用したモデルは25年からの発売が予定されている。

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