12月のユーロ圏インフレ率9.2%、2カ月連続で縮小

EU統計局ユーロスタットが6日に発表したユーロ圏の2022年12月のインフレ率(速報値)は前年同月比9.2%となり、前月の10.1%から0.9ポイント縮小した。インフレ率の鈍化は2カ月連続。3カ月ぶりに1ケタに戻った。(表参照)

上げ幅の縮小は、物価高の最大の要因となっているエネルギー価格の上昇率が鈍化傾向にあることが大きい。12月は前月の34.9%から25.7%に縮小した。各国政府のインフレ抑制策の効果も出ているもようだ。

ただ、インフレ圧力は依然として強く、工業製品は6.4%、サービスは4.4%と、それぞれ前月を0.3ポイント、0.2ポイントの幅で上回った。欧州中央銀行(ECB)が金融政策決定で重視する基礎インフレ率(価格変動が激しいエネルギー、食品・アルコール・たばこを除いたインフレ率)は5.0%から5.2%に拡大した。

主要国はドイツが9.6%、フランスが6.7%、イタリアが12.3%、スペインが5.6%。いずれも前月を下回った。前月から拡大したのはマルタだけだった。

インフレ率は10月にピークに達したと目されている。しかし、当面は高止まりする見通しで、22年に政策金利を計2.5ポイント引き上げたECBが金融引き締めを継続するのは確実だ。市場では2月と3月に0.5ポイントの利上げを実施するとの見方が出ている。

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