米石油大手のエクソンモービルは12月28日、EUが石油会社への新たな課税措置を導入したのは不当として、EU司法裁判所の一般裁判所に提訴したと発表した。「棚ぼた税」と称される新課税には、エネルギー価格高騰の恩恵を受けているエネルギー企業の超過利得に課税し、徴収分を家計や企業への支援や再生可能エネルギーへの投資などに充てる狙いがあるが、同社は「逆効果だ」として反発している。
EUは2022年9月、エネルギー価格高騰への対応策の一環として、新課税措置の導入を決定した。石油やガス、石炭など化石燃料を扱う事業者を対象に、過去3年間の利益の平均と比較して20%を超える増加分について、少なくとも33%を「連帯負担金」として徴収するという内容だ。23年3月31日までの時限措置として実施する。欧州委の試算によると、徴収額は最大250億ユーロに上る。
エクソンは石油会社が棚ぼたで大きな利益を上げているという指摘に対して、同社が欧州で過去10年間に製油プロジェクトに30億米ドルの投資を行ったことを強調。新課税は石油会社の投資意欲が下がるなど「逆効果」を招くとして、提訴に踏み切った。