1月のユーロ圏インフレ率8.5%、3カ月連続で縮小

EU統計局ユーロスタットが1日に発表したユーロ圏の1月のインフレ率(速報値)は前年同月比8.5%となり、前月の9.2%から0.7ポイント縮小した。エネルギー価格の高騰に歯止めがかかったことで、インフレ率は3カ月連続で鈍化した。(表参照)

分野別の上げ幅はエネルギーが17.2%で、前月の25.5%を大きく下回った。暖冬でエネルギー需要が下がったことや、各国がロシアのウクライナ侵攻を受けてエネルギー調達源の多様化に取り組んでいることで、10月の41.5%をピークに縮小が進んでいる。

ただ、エネルギー価格は依然として高水準。工業製品も上げ幅が前月の6.4%から6.9%に拡大し、過去最高を更新した。

さらに、欧州中央銀行(ECB)が金融政策決定で重視する基礎インフレ率(価格変動が激しいエネルギー、食品・アルコール・たばこを除いたインフレ率)は前月と同水準の5.2%で、高止まりしている。食品は値上げが加速しており、インフレ圧力は依然として強い。

今回の統計には1月にユーロを導入したクロアチアが初めて組み込まれた一方で、ドイツはデータがまとまらず、ユーロスタットが推計した。ユーロ圏最大の経済国であるドイツの実際のデータが不明なことで、同統計の信頼性を疑う声が出ている。

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