英国で伝統的な居酒屋パブとバーの倒産が加速している。英会計事務所UHYハッカーヤングによると、パブとバーを運営する事業者の2022年の倒産は512件に上り、過去最高だった13年に迫る水準に達した。光熱費をはじめとするコストの上昇と需要低迷が背景にある。
同国ではパブ離れが進んでおり、過去10年で事業者は15%減少。年間の平均倒産件数は466件で、13年に過去最高の551件に上った。
22年は光熱費、人件費、食材・酒類の仕入れ価格が膨らんだことに加え、記録的な物価高で家計が苦しい消費者のパブ通いが減り、破綻が急増した。政府がコロナ禍対応として事業者に手厚い支援を行った21年の280件を180%上回る規模だ。
業界団体は、エネルギー高騰に対する政府の支援措置が3月末から縮小することから、今後はパブの経営が一層厳しくなると警戒しており、支援強化を求めている。