EU統計局のユーロスタットは21日、域内の2022年8月~23年1月の天然ガス消費量が17~22年の同期と比べて19.3%減少したと発表した。化石燃料の脱ロシア依存をEUが掲げてから、各国で天然ガス消費が減っている。
欧州委員会は22年5月、エネルギー分野におけるロシア依存からの脱却と持続可能なエネルギーの安定供給に向けた計画案「リパワーEU」を発表。天然ガスについては、22年8月~23年3月のEU加盟国の消費量を過去5年間の同期の平均と比べて15%削減する方針を打ち出した。2~3月に同様のペースで削減が進めば、目標を達成できることになる。
EUではリパワーEU 発表の前から天然ガス利用が減っていたが、22年下期に削減が加速。削減幅は8月に14%、9月に14.3%、10月に24.7%、11月に25%と、着実に減っている。
国別の削減幅はフィンランドが57.3%で最高。リトアニアが47.9%、スウェーデンが40.2%で続く。最低はアイルランドの0.3%。マルタとスロバキアは消費が増えた。西欧の主要国でEU平均の19.3%を超える削減を達成したのはドイツだけ。フランス、スペイン、イタリアは10%台だが、平均を超えている。