海運大手CMA CGM、ボロレに物流子会社買収を提案

仏海運大手CMA CGMは18日、仏複合企業ボロレ・グループに物流子会社ボロレ・ロジスティクスの買収を提案したと発表した。ボロレ・グループは買収に前向きで、協議を行うことに同意した。

CMA CGMは50億ユーロでの買収を打診している。交渉の期限は5月8日。それまでに正式な買収提案を行う予定だ。

CMA CGMはマルセイユに本社を置く世界有数の海運会社で、コンテナ輸送ではデンマークのA・P・モラー・マースク、スイスのメディタレニアン・シッピング・カンパニー(MSC)に次ぐ世界3位。世界的なサプライチェーン混乱に伴うコンテナ船運賃の高騰で、2022年に記録的な収益を上げた。豊富な資金を活用してボロレ・ロジスティクスを傘下に収め、最後の集荷拠点からエンドユーザーに荷物を届けるラストワンマイル物流事業を強化したい考えだ。

ボロレ・グループにとって物流事業は経営の大きな柱。ボロレ・ロジスティクスの22年の売上高は約71億ユーロで、グループ全体の約3分の1を稼ぎ出した。ただ、このところ巨額の投資が必要となる物流事業を縮小し、メディア事業などに軸足を移す動きが目立ち、22年にはボロレ・ロジスティクスのアフリカ部門をMSCに57億ユーロで売却していた。

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