欧州委員会は11日、医療機器大手の米メドトロニックがアイルランド同業コヴィディエンを買収する計画について、競争上の是正策を提示したことを明らかにした。これに基づいて欧州委は審査を進め、28日までに買収の可否を判断する。
メドトロニックは6月、コヴィディエンを買収することで合意していた。米国の医療保険制度改革で縮小している収益の拡大と、本社を法人税率が低いアイルランドに移転することよるコスト節減が目的で、買収額は429億ドルに上る。
メドトロニックは世界2位の医療機器メーカーで、心臓ペースメーカー、インスリンポンプで大きなシェアを持つ。コヴィディエンはステープラーなど外科手術用機器で強みを持つ。
メドトロニックは同買収が大型案件で、EUが関連市場の競争に影響を及ぼすとして承認を渋る恐れがあることから、一部の事業・資産の売却を提案したとみられる。詳細は不明だが、コヴィディエンは3日、血管形成術用バルーン部門を米スペクトラネティクスに売却すると発表。10月には血管内治療関連の一部の製品開発プロジェクトと技術を譲渡する方針を打ち出していた。