EUと英の金融規制協力、欧州委が覚書の草案採択

欧州委員会は17日、EUと英国の金融サービスに対する規制での協力強化に向けた覚書(MOU)の草案を採択したと発表した。金融規制での協力を協議する共同金融規制フォーラム」の設置を柱とする内容。加盟国の承認を経て正式調印する。

EUは2020年1月末に離脱した英国と「貿易連携協定(TCA)」と呼ばれる自由貿易協定を締結したが、金融サービスは対象外となっている。双方は21年3月、金融規制での協力を協議する共同フォーラムの設置について大枠で合意。しかし、英のEU離脱後もEU単一市場に残った英領北アイルランドの通商ルール見直しをめぐる対立の影響で作業が中断していた。

欧州委は同問題が2月に決着し、「ウインザー・フレームワーク」と称される合意が締結されたことから、MOUの草案をまとめた。これによると、「EU-UK金融規制フォーラム」を創設し、金融規制での協力を促進するための意見交換など対話を進める。EUと米国が設けた金融規制協力の枠組みと同様のものとなる。

英財務省のアンドリュー・グリフィス・金融街シティー担当次官は、EU側の動きを「良い知らせだ」として歓迎の示し、同省がMOUに調印する意向を表明。フォーラムが年内の早い時期に始動することを望むと述べた。

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