欧州委員会は6日、英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)が開発したRSウイルス感染症のワクチン「Arexvy(アジュバント添加RSウイルスワクチン)」を60歳以上の人に使用することを承認したと発表した。EUで高年齢成人を対象とするRSウイルスワクチンの認可は初となる。
RSウイルス感染症は、RSウイルスの感染による呼吸器の感染症で、風邪と同じような症状を起こす。非常に感染力が強く、乳幼児の100%が感染するとされる。ほとんどの人は1~2週間で回復するが、高齢者や心臓疾患、糖尿病を抱えている人は重篤化のリスクが高く、欧州委によると欧州では毎年、65歳以上の25万人が入院し、1万7,000人が死亡すると推定されている。
GSKのワクチンは、RSウイルス感染症から60歳以上の成人を守る初のワクチン。米国では5月に食品医薬品局(FDA)の承認を受けた。EUでは欧州医薬品庁(EMA)が4月に認可を勧告していた。
EUでは英アストラゼネカと仏サノフィが開発した乳幼児向けのRSウイルスワクチン「Nirsevimab(ニルセビマブ)」が22年10月に承認された。