欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/11/24

西欧

アルティス、ブイグテレコム買収を視野に

この記事の要約

仏ケーブルテレビ大手ニュメリカブルの親会社であるアルティス(ルクセンブルク)のデクスタ・ゴエイ最高経営責任者(CEO)は20日、仏携帯電話サービス2位SFRの買収に続き、同3位ブイグ・テレコムの買収も視野に入れていること […]

仏ケーブルテレビ大手ニュメリカブルの親会社であるアルティス(ルクセンブルク)のデクスタ・ゴエイ最高経営責任者(CEO)は20日、仏携帯電話サービス2位SFRの買収に続き、同3位ブイグ・テレコムの買収も視野に入れていることを明らかにした。

 仏携帯電話サービス市場はオレンジ(旧フランステレコム)、SFR、ブイグ・テレコムの3社体制だったが、イリアッド傘下のフリー・モバイルが2012年に低料金を掲げて参入してから、価格競争が激化している。これを受けて大手3社の間ではフリーに対抗するため統合の動きが出ており、ブイグ・テレコムは3月にSFR買収に乗り出したが、争奪戦でニュメリカブルに敗れた経緯がある。その後にブイグ・テレコムはオレンジとの合併を模索したが、7月に交渉が決裂していた。このため、なお再編の余地がある。

 ブイグ・テレコムをめぐっては、競争激化で業績が悪化していることから、親会社である仏コングロマリット(複合企業)のブイグが存続を断念し、他社への売却を検討している。ゴエイCEOはバルセロナで開かれた通信・メディア業界の会合で、来年にも再編の動きが出るとの見通しを示した上で、ブイグ・テレコム買収に関して「買い手としては、当社が最も自然だ」と発言。「もしも明日、ブイグから電話があったとしたら、断る理由はない。2015年になんらの統合の動きもないとしたら驚きだ」と述べ、ブイグ・テレコム買収への意欲を示した。