欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/12/1

EU産業・貿易

仏、ディーゼル車の規制強化へ

この記事の要約

フランスのヴァルス首相は11月28日、ディーゼル車の規制を強化する方針を明らかにした。ディーゼル車に対する優遇措置の見直しや、汚染物質の排出量に応じて自動車をランク付けするシステムの導入を通じて、より環境に優しい自動車の […]

フランスのヴァルス首相は11月28日、ディーゼル車の規制を強化する方針を明らかにした。ディーゼル車に対する優遇措置の見直しや、汚染物質の排出量に応じて自動車をランク付けするシステムの導入を通じて、より環境に優しい自動車の普及を後押しする。

フランスでは軽油への優遇税制などを背景にディーゼル車が好まれており、乗用車に占める比率は8割に達する。ヴァルス首相は政府主催の環境会議での講演で、「フランス人は長らくディーゼルエンジンを愛してきたが、これは誤りだった。今後は知性と現実主義をもって徐々に正していく」と述べ、来年から汚染物質の排出量によって車両をランク付けするシステムを導入すると発表した。これにより、自治体は汚染物質の排出量が多い車両の乗り入れを制限することができるようになる。

政府は先ごろ、軽油に対する石油製品特別税(TICPE)の税額を1リッターあたり2ユーロセント引き上げることを決定した。また、ディーゼル車を廃車にして電気自動車に買い換える場合、最高1万ユーロの補助金を交付する制度を導入することを検討している。ヴァルス首相は、税制を含めディーゼル車への優遇措置の見直しを進めることで、市民がより環境に優しい自動車への乗り換えるよう促していく考えを示した。