世界最大のコーヒーチェーンである米スターバックスは16日、欧州の本社をオランダのアムステルダムから英ロンドンに移転すると発表した。英国で法人税を適正に納めてこなかったことへの批判をかわす狙いがあるとみられる。
スターバックスにとって英国は欧州最大の市場で、780店舗以上を展開している。しかし、ブランド使用料を税率が低いオランダ本社に支払うといった手法で英国事業の利益を意図的に減らし、1998年の英進出以来、黒字となって法人税を払ったのは1年だけだった。
同社は昨年、こうしたやり方が英議会で課税逃れとしてやり玉に挙がったことから、2013、14年に総額2,000万ポンド(約34億3,000万円)の法人税を支払うことで合意した経緯がある。本部移転によって、英国での納税が増えることになる。
同社は声明で、本社移転について「欧州の半分以上の店舗が集中する英市場を経営幹部が監督しやすいようにするため」と説明している。