2014/12/8

EU産業・貿易

GM作物栽培で加盟国に禁止権限、欧州議会と理事会が合意

この記事の要約

欧州議会とEU理事会は4日、遺伝子組み換え(GM)作物の認可ルールをめぐり、EUが栽培を認可した場合でも加盟国が独自の判断で禁止できるようにする指令の改正案で合意した。GM作物に対するEU市民の根強い懸念に配慮して、加盟 […]

欧州議会とEU理事会は4日、遺伝子組み換え(GM)作物の認可ルールをめぐり、EUが栽培を認可した場合でも加盟国が独自の判断で禁止できるようにする指令の改正案で合意した。GM作物に対するEU市民の根強い懸念に配慮して、加盟国に最終的な決定権を与えたうえで、安全性が確認された品種については速やかに域内での栽培認可プロセスを進めるのが狙いで、欧州議会本会議と理事会の承認を経て、来春に施行される見通し。

GM作物の栽培認可をめぐる協議では、加盟国の立場の違いから特定多数決による採決では決着がつかず、安全性が確認された品種については最終的に欧州委員会が認可を勧告する形がとられている。現時点で域内での栽培が認められているGM作物は米モンサントが開発した害虫抵抗性のトウモロコシ「MON810」のみだが、実際に栽培されているのはスペインとポルトガルの2カ国にとどまっている。さらにフランスでは5月、EUが将来的に認可する品種を含め、国内でのGM作物の栽培を全面的に禁止する法案が成立。一方、一般裁判所は2年前、GM作物の栽培認可に関する議論が不当に長期化している状態はEU法に違反するとの判断を示しており、EUレベルで認可手続きの見直しが進められていきた。

今回合意された指令改正案によると、加盟国は安全性や環境への影響分析以外に、倫理面や社会経済的な根拠に基づいて独自にGM作物の栽培を禁止または制限することが認められる。また、GM作物を栽培する際には他の作物を汚染することがないよう、特に国境を越えた汚染を防止するため、「緩衝地帯」を設けるなどの対策が求められる。

改正案は10日に常駐代表委員会(COREPER)、15日に欧州議会環境委員会で審議された後、来年1月の欧州議会本会議で採決にかけられる。