欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/12/15

西欧

ドイツポスト、新興EVメーカーを買収

この記事の要約

独物流・郵便大手のドイツポストは9日、電気自動車(EV)の開発・生産を手がける独ストリートスクーターを買収すると発表した。ドイツポストは配達に伴う二酸化炭素(CO2)の排出の大幅削減に取り組んでいることから、同社に配達用 […]

独物流・郵便大手のドイツポストは9日、電気自動車(EV)の開発・生産を手がける独ストリートスクーターを買収すると発表した。ドイツポストは配達に伴う二酸化炭素(CO2)の排出の大幅削減に取り組んでいることから、同社に配達用EVを供給するストリートスクーターを傘下に収め、より経済性の高いEVの開発を進める。現時点で第3者向けにEVを生産する考えはなく、ストリートスクーターは今後もドイツポスト向けの車両を生産することになる。買収金額など取引の詳細は明らかにしていない。

ストリートスクーターはアーヘンにあるライン・ヴェストファーレン工科大学(RWTH)系のベンチャー企業。2010年に設立された。自動車業界を中心とする約80社から出資を受けている。消費者が手軽に購入できる低価格のEVを市販することが起業の狙いで、13年に生産を開始した。これまでに約200台を手がけている。従業員数は70人。

ドイツポストは11年、配達用車両の開発をストリートスクーターに委託。13年から配達に投入している。現在の投入数は70台で、そのうち20台は本社所在地ボンで展開するパイロットプロジェクト「CO2無排出配達・ボン」に投入している。ドイツポストは同市で配達業務に用いる車両を2016年までにすべてEVに切り替える考えだ。

ドイツポストがストリートスクーターから調達するEVは最高速度が85キロで、航続距離は80キロ。1日当たり停止と発車を最大200回、行える。

両社はEVのほか、電動アシスト付自転車と三輪電気自動車の共同開発にも取り組んでいる。