欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/12/15

東欧・ロシア・その他

ロシア、ウクライナへの天然ガス供給を再開

この記事の要約

ウクライナの国営ガス輸送会社ウクルトランスガスは9日、ロシアが同国への天然ガス供給を再開したと発表した。ウクライナとEU、ロシアの10月末の3者合意に基づくもので、ロシアからの輸入は今年6月以来、約6カ月ぶりとなる。 合 […]

ウクライナの国営ガス輸送会社ウクルトランスガスは9日、ロシアが同国への天然ガス供給を再開したと発表した。ウクライナとEU、ロシアの10月末の3者合意に基づくもので、ロシアからの輸入は今年6月以来、約6カ月ぶりとなる。

合意では代金を前払いすることになっているが、流動資金が不足するウクライナはぎりぎりまで発注を遅らせてきた。しかし、冬の到来で備蓄が急減し、給電制限が避けられない情勢となったため、6日、10億立法メートル分の代金3億7,800万米ドルをロシアに送金した。

ウクライナの冬季ガス需要は1日平均で約2億立法メートルに上る。ロシアからのガス供給中止に加え、東部の戦闘による炭鉱の破壊で資源不足が深刻だ。天然ガス備蓄量は6日時点で133億立法メートルと、10月から2割以上減った。

ガス代金の支払いと通貨フリブナの買い支えで同国の外貨準備高は過去10年間で最低に落ち込んでいる。金準備高も5月以来半減した。9日キエフを訪れた国際通貨基金(IMF)の代表団は、ウクライナの追加的資金需要を150億ドルと算定。欧州諸国に向けて、「数週間以内に不足が解消されなければ財政が破たんする」と警鐘を鳴らした。