アイルランド製薬大手のシャイアーはこのほど、米同業NPSファーマシューティカルズを買収することで合意した。買収額は52億ドル。希少病治療薬部門の強化が狙いで、同社にとって過去最大の買収となる。
シャイアーは11日、NPS買収で合意したと発表した。全株式を1株当たり46ドルで取得する。同価格は前日終値に10%を上乗せした水準となる。
NPSはシャイアーと同じく、高価格で収益力が大きい希少病医薬品に特化した製薬会社。短腸症候群の治療薬「ガテックス」が主力薬で、2014年1~9月期の売上高は6,790万ドルに上った。ガテックスに続く主力薬として期待される副甲状腺機能低下症の新薬の開発も進んでおり、米食品医薬品局(FDA)が近く認可すると見込まれている。
シャイアーをめぐっては、昨年7月に米製薬大手アッヴィによる買収で合意したが、11月にアッヴィが買収を撤回したことから、同社は独立企業として事業を拡大するため、新たな買収を計画していた。同社による買収では、2013年の米バイロファーマ買収(42億ドル)に続く大型案件となる。