欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/1/19

西欧

ロシュ、米仏2社を買収

この記事の要約

スイス製薬大手のロシュが買収攻勢を強めている。12日にがん診断法開発を手がける米ファウンデーション・メディシン(FMI)の買収を発表。16日には仏医薬品開発会社トロフォスの買収も表明した。 FMIの買収額は最大10億3, […]

スイス製薬大手のロシュが買収攻勢を強めている。12日にがん診断法開発を手がける米ファウンデーション・メディシン(FMI)の買収を発表。16日には仏医薬品開発会社トロフォスの買収も表明した。

FMIの買収額は最大10億3,000万ドル。株式公開買い付け(TOB)と新株の引き受けを通して株式最大56.3%取得する。1株当たりの取得額は50ドルで、前営業日(9日)の終値を109%上回る。FMIの大株主であるサード・ロック・ベンチャーズ、クライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤーズ(KPCB)、グーグル・ベンチャーズの3社(出資比率は計31%)は保有株の過半数をそれぞれロシュに譲渡することを確約しているという。

ロシュは取引成立後、FMIの製品開発を加速させるために1億5,000万ドル以上を投資。また、FMIの既存製品と今後共同開発する製品を米国以外で販売する権利を取得する。

一方、トロフォスは運動ニューロン病の1つであるせき髄性筋萎縮症の治療薬「olesoxime」を開発している。同薬の第2相臨床試験(3つある治験の第2段階)の結果は良好で、米国とEUの認可当局から希少疾病用医薬品の指定を受けている。ロシュは神経筋疾患治療薬事業を強化するため、同社の買収を決めた。前払金1億2,000万ユーロを現金で支払う。さらに、一定目標の達成に応じて最大3億5,000万ユーロを買収額に上乗せする。