欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/1/26

総合 – 欧州経済ニュース

EU外相理がテロ対策を協議、イスラム諸国と連携強化へ

この記事の要約

EUは19日、フランスでの連続銃撃テロ事件後初となる外相理事会をブリュッセルで開き、テロ対策について協議した。理事会にはアラブ連盟のアラビ事務局長も出席。アラブ諸国やトルコなどイスラム圏の国々と過激派に関する情報交換を促 […]

EUは19日、フランスでの連続銃撃テロ事件後初となる外相理事会をブリュッセルで開き、テロ対策について協議した。理事会にはアラブ連盟のアラビ事務局長も出席。アラブ諸国やトルコなどイスラム圏の国々と過激派に関する情報交換を促進し、連携を強化することで合意した。

理事会では、各国が主要なイスラム諸国に置いている在外公館に専任の治安担当官を派遣することや、過激派によるプロパガンダに対抗するためアラビア語による情報収集や対外発信力を向上させることなども協議された。モゲリーニ外務・安全保障政策上級代表は理事会終了後の記者会見で、「協力の必要性についてこれほど現実的で深い認識を共有したのは恐らく初めてだ」と述べ、数週間以内にトルコ、エジプト、イエメン、アルジェリア、湾岸諸国との間でテロ防止に向けた具体策の協議を開始すると明らかにした。

外相理事会はまた、ロシアに対する経済制裁に関し、9月の停戦合意が完全に履行されるまで緩和しないとの見解で一致した。英国のハモンド外相は理事会終了後にツイッターで、「ウクライナに平和がもたらされるまでロシアに圧力をかけ続けることでEU各国の外相は合意した」と述べた。ウクライナ東部の中心都市ドネツクでは重要な戦略拠点になっている国際空港をめぐる政府軍と親ロシア派の争奪戦が激化、19日には双方に死傷者が相次いだ。モゲリーニ上級代表は「現在の状況は過去数週間と比べてかなり悪化している」と懸念を表明した。