欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/1/26

東欧・ロシア・その他

ロシア政府が銀行の資本増強計画発表、総額1兆ルーブル

この記事の要約

ロシア政府は23日、国内銀行の資本増強計画を発表した。資本金250億ルーブル以上で、主要産業への融資を拡大する用意のある銀行を対象に、総額1兆ルーブルを注入する内容。 ロシアの銀行はルーブル急落を受けて預金の引き出しや外 […]

ロシア政府は23日、国内銀行の資本増強計画を発表した。資本金250億ルーブル以上で、主要産業への融資を拡大する用意のある銀行を対象に、総額1兆ルーブルを注入する内容。

ロシアの銀行はルーブル急落を受けて預金の引き出しや外貨への両替が相次いだことで大きな痛手を受けており、政府は昨年12月、金融システム上重要な銀行に対して預金保険公社(DIA)を通じ資本増強を実施すると明らかにしていた。

シルアノフ財務相の声明によると、資本注入の対象となる銀行は1日時点の250億ルーブル以上の資本を有し、「優先的な経済分野」への融資を月1%以上増やす必要がある。1行に注入できる資金は資本金の25%を上限とするほか、銀行は公的資金の50%に相当する資本を自力で調達しなければならない。

DIAは資本注入を受けられる27行のリストを承認済みで、このリストは政府に提出される。支援対象となる銀行の名前は公表されていない。シルアノフ財務相は今回の措置について、「銀行システムの安定を確保し貸出の伸びを支援するための政府の危機対策の一環であり、外部金融の機会を奪われているロシアの実体経済部門の企業をサポートすることも目的としている」と説明した。