EUは1月26日、違法漁業を行っているとして警告していたスリランカへの制裁発動を正式決定した。これによって同国はEUへの水産製品輸出が禁止される。
EUでは2010年に施行された違法・無届け・未規制(IUU)漁業を取り締まる規則に基づき、乱獲禁止など国際ルールに反した違法漁業を行っている域外の第3国の水産物が域内で流通することを禁止する方針を打ち出している。
欧州委員会は2012年、スリランカ政府が違法漁業を監視するため、インド洋に出漁する大型漁船にGPSを搭載させるといった措置の実施を怠っていると警告し、改善を要求した。しかし、同国が履行していないため、昨年10月に制裁発動をEU加盟国に提案。加盟国は26日の漁業相理事会で制裁を決めた。
スリランカはEUへの水産品輸出で世界2位。2013年はカジキマグロ、マグロなどの加工品を中心に7万4,000トン、金額にして約7,400万ユーロ相当を輸出した。EUの禁止措置は同国の水産業界にとって大きな打撃となる。
これまでにEUは同様の問題で、カンボジア、ギアナ、ベリーズに水産製品の輸入を禁止する措置を発動。うちベリーズに関しては昨年12月、違法漁業対策が強化され、状況が改善したと判断し、制裁を解除した。