ロシアの携帯電話サービス大手ビンペルコムは18日、アルジェリア部門のオラスコム・テレコム・アルジェリアの株式51%を同国政府に26億4,000万ドルで売却することで合意したと発表した。債務圧縮に向けた資金調達などが目的で、年内の売却手続き完了を目指す。
ビンペルコムはロシアの富豪ミハイル・フリードマン氏率いるアルファ・グループとノルウェー通信最大手テレノールが出資する企業。同社は2010年にオラスコム・テレコム・アルジェリアを買収していた。
アルジェリア政府は国営投資ファンド(FNI)を通じて、オラスコムの株式51%を取得する。さらに、オラスコムの親会社であるビンペルコム傘下の持ち株会社グローバル・テレコム・ホールディングスに18億6,000万ドルの配当を支払う。
ビンペルコムは海外での積極的な買収が裏目に出て275億ドルの債務を抱えている。配当金と合わせて約40億ドルに上る売却益は債務返済に充てる。
オラスコムをめぐっては、国営化を目論むアルジェリア政府とビンペルコムが対立し、政府がオラスコムによる親会社への配当支払い、設備輸入を禁止する事態に至っていた。今回の合意によって、同問題も決着した形となる。
ビンペルコムのオラスコムへの出資比率は49%に低下するものの、今後も同社の事業運営権を保持する。