欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/2/9

EUその他

英ICAPに1490万ユーロの制裁、円金利デリバティブのカルテルで

この記事の要約

欧州委員会は4日、金融取引仲介大手の英ICAPが円金利デリバティブのカルテルに関わったとして、1,496万ユーロの制裁金支払いを命じたと発表した。これによって同カルテルの制裁手続きが完了したことになる。 欧州委は2011 […]

欧州委員会は4日、金融取引仲介大手の英ICAPが円金利デリバティブのカルテルに関わったとして、1,496万ユーロの制裁金支払いを命じたと発表した。これによって同カルテルの制裁手続きが完了したことになる。

欧州委は2011年、欧米の複数の銀行や金融仲介会社が欧州銀行間取引金利(EURIBOR)、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)など国際的な指標金利に連動する金利デリバティブでカルテルを結び、指標金利を不正に操作した疑いで調査を開始。うち円金利デリバティブではドイツ銀行、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)、UBS、JPモルガン、シティグループ、金融仲介会社のICAPとPRマーティンの7社が対象となっていた。

ICAPを除く6社は2013年12月、カルテルを認めて和解手続きに応じ、総額約6億6,970万ユーロの制裁を科された。しかし、ICAPはカルテルへの関与を否定し、和解に応じなかったため、欧州委は制裁手続きを進め、昨年6月に異議告知書を送付していた。

欧州委は同社が2007年から10年にかけて行われた7件のカルテルのうち6件について、為替情報を不正操作するなどして関与していたと断定し、制裁に踏み切った。他の6社は和解に応じたため制裁を減額されたが、ICAPは全額支払いを求められる。

ICAPは同決定を不服として、提訴する構えを示している。