2015/2/16

総合 – 欧州経済ニュース

ユーロ圏統合深化に向け「高度な政治的合意を」、欧州委員長が提唱

この記事の要約

欧州委員会のユンケル委員長は12日に開かれた非公式EU首脳会議で、ユーロ圏の経済不振を克服するには財政面の統合を急ぐべきだとの考えを示し、ユーロ加盟国に連携強化を呼びかけた。欧州委は6月の首脳会議で単一通貨ユーロの将来像 […]

欧州委員会のユンケル委員長は12日に開かれた非公式EU首脳会議で、ユーロ圏の経済不振を克服するには財政面の統合を急ぐべきだとの考えを示し、ユーロ加盟国に連携強化を呼びかけた。欧州委は6月の首脳会議で単一通貨ユーロの将来像に関する報告書を提示するため、欧州中央銀行(ECB)やユーロ圏財務相会合(ユーログループ)と協議を進めており、統合深化に向けた具体策としてユーロ圏独自の予算編成や財務省の創設などが提言に盛り込まれる可能性がある。

EUは加盟国の経済・財政ガバナンスを強化する取り組みの一環として、財政危機に直面したユーロ導入国を対象とする緊急融資制度の拡充、域内の銀行の監督・救済・破綻処理などの機能や制度を一本化する銀行同盟の創設、ユーロ導入国に対する予算監視の強化などを進めてきた。しかし、ECBや欧州委はユーロ圏の統合を深化させるため、さらに踏み込んだ施策を検討している。

ユンケル委員長は各国首脳に手渡した「分析ノート」の中で、「より強固な財政政策の協調と結束、連帯に向けて徐々に明確なメカニズムを構築する必要がある」と指摘。国による財政のばらつきを放置すれば、ユーロ圏経済は低成長・高失業率のリスクから脱却できなくなると警告し、「ユーロ圏全体の構造改革を進めるには高度な政治レベルでの新たな合意が必要」と強調している。

8ページから成る分析ノートでは具体的な提案ではなく、11項目の質問が列記されている。この中にはEUの多年度財政枠組みと別にユーロ圏独自の予算を編成する案は望ましいか、ユーロ圏全体の財政政策を舵取りする「共通の機関」は必要か、財政ルールに違反している国に対してどのような措置を講じるべきか――などが含まれている。さらに欧州議会とは別に、ユーロ加盟国による統一議会を創設する構想を念頭に、通貨同盟のような「重層的機構」において「説明責任と合法性」を確保する最良の方法はどのようなものか、との質問を投げかけている。