欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/2/16

総合 – 欧州経済ニュース

EU残留めぐる国民投票、総選挙から1年内に=英商工会議所

この記事の要約

英国の総選挙まで3カ月を切り、経済界からEU残留の是非を問う国民投票の早期実施を求める声が高まっている。今回の総選挙は歴史的な接戦が予想されており、キャメロン首相率いる保守党と野党・労働党のいずれも単独過半数を確保するの […]

英国の総選挙まで3カ月を切り、経済界からEU残留の是非を問う国民投票の早期実施を求める声が高まっている。今回の総選挙は歴史的な接戦が予想されており、キャメロン首相率いる保守党と野党・労働党のいずれも単独過半数を確保するのは難しい情勢だが、英商工会議所(BCC)のロングワース会頭は「不確実性はビジネスにとって害になる」と強調し、選挙結果にかかわらず来年中に国民投票を実施するよう求めている。

キャメロン首相は総選挙で保守党が勝利した場合、EUとの間で英国の加盟条件について再交渉したうえで、2017年末までに国民投票を実施すると公約している。しかし、反EUを掲げる英独立党(UKIP)が支持を拡大するなか、保守党内ではEU懐疑派の間で実施を早めるべきだとの声が高まっており、首相も今年に入り、可能であれば前倒しが望ましいとの考えを表明している。一方、ミリバンド党首率いる労働党は総選挙で勝利した場合、外交政策を通じてEU改革を進めるとの方針を打ち出し、国民投票の実施は公約していない。

ロングワース氏は10日に放送されたBBCのラジオ番組で「商工会議所の会員企業は国民投票の実施を求めている。EUとの関係で今後2年半も不確実な状態が続くことになれば、英国の経済成長と投資に深刻な影響が及ぶ」と指摘。総選挙から1年以内に国民投票を実施すべきだとの考えを明らかにした。同氏はさらに、労働党が政権を奪還した場合は国民投票の実施を求める圧力が強まり、新たな不安定要因になりかねないと警告した。