欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/3/2

西欧

グーグルが欧州事業を再編、規制強化に対応

この記事の要約

米インターネット検索サービス大手グーグルは、欧州事業を再編する方針だ。欧州での規制環境が厳しくなっていることに対応するのが狙い。英紙『フィナンシャル・タイムズ』が2月25日、同社幹部の話として報じた。 グーグルの北欧・西 […]

米インターネット検索サービス大手グーグルは、欧州事業を再編する方針だ。欧州での規制環境が厳しくなっていることに対応するのが狙い。英紙『フィナンシャル・タイムズ』が2月25日、同社幹部の話として報じた。

グーグルの北欧・西欧部門の責任者を務めるマット・ブリティン氏が明らかにしたところによると、北欧・西欧部門と南欧・東欧・中東・アフリカ部門を統合する。統合後の新部門のトップにはブリティン氏が就任し、欧州各国の担当幹部はブリティン氏に直属することになるという。

グーグルをめぐっては、欧州司法裁判所が昨年5月、個人の「忘れられる権利」を認め、同社に対して不適切なリンクの削除を命令。また、欧州委員会は昨年9月、同社に対する独禁法違反に関連した調査の再開を決定し、調査は今後数年間続く可能性がある。さらに、一部のEU加盟国が、法人税率の低い別の国に移転された同社の利益への課税を検討するなど、風当たりが強まっている。

ブリティン氏は『フィナンシャル・タイムズ』紙に対し、欧州の事業部門を統合することによって、現地の状況やチャンスにより迅速に対応することが可能になると強調。さらに、欧州での信頼回復に向けた活動の一環として、今後2年間で100万人にデジタルスキルの研修を提供することや、ユンカー欧州委員長が最重要課題の一つと位置づける「デジタル単一市場」構想を支持する考えを明らかにした。