欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/3/2

西欧

ビベンディ、通信事業から撤退

この記事の要約

仏メディア・通信大手のビベンディは2月27日、保有する仏通信大手ニュメリカブル―SFRの株式20%をアルティス(ルクセンブルク)に売却すると発表した。これによってビベンディは通信事業から撤退し、メディア・音楽部門に集中す […]

仏メディア・通信大手のビベンディは2月27日、保有する仏通信大手ニュメリカブル―SFRの株式20%をアルティス(ルクセンブルク)に売却すると発表した。これによってビベンディは通信事業から撤退し、メディア・音楽部門に集中することになる。

ビベンディは昨年11月、債務圧縮と中核のメディア部門に経営資源を集中する戦略に沿って、不振が続く傘下の仏携帯電話サービス2位SFRをアルティスに約135億ユーロで売却。アルティス傘下のケーブルテレビ大手ニュメリカブルとSFRが合併し、新会社ニュメリカブル―SFRが発足した。

ニュメリカブル―SFRの株式60%を保有するアルティスは2月中旬、ビベンディが保有する株式20%を39億ユーロで取得することを提案していた。ビベンディは同提案を受け入れ、売却に応じた。1株当たりの売却価格は40ユーロ。同取引が提案された前日の49.3ユーロを下回るが、SFR売却時の33.3ユーロに20%を上乗せした水準となる。

ビベンディは昨年9月、ブラジルのインターネット接続サービス子会社GVTをスペイン通信最大手テレフォニカに約72億ユーロ売却することで合意し、今夏に売却手続きを完了する見込みとなっている。ニュメリカブル―SFRの株式売却によって通信事業売却計画が完了し、有料テレビ部門カナル・ピリュス、音楽部門ユニバーサル・ミュージックに集中する。