欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/3/9

EU産業・貿易

英政府がECBに勝訴、清算機関の立地めぐる訴訟で

この記事の要約

ユーロ圏外に拠点を置く清算機関がユーロ建て証券取引の清算を行うことを禁じた欧州中央銀行(ECB)の方針は不当であるとして英政府が提訴していた問題で、欧州一般裁判所は4日、英国側の主張を認め、ECBの方針を無効とする判決を […]

ユーロ圏外に拠点を置く清算機関がユーロ建て証券取引の清算を行うことを禁じた欧州中央銀行(ECB)の方針は不当であるとして英政府が提訴していた問題で、欧州一般裁判所は4日、英国側の主張を認め、ECBの方針を無効とする判決を下した。

ECBは2011年7月に発表した政策文書で、ユーロ建て証券取引の清算を行う中央清算機関(CCP)はすべてユーロ圏に本拠を置くことを義務付ける方針を示した。これに対しユーロ圏に属していない英国は反発。「ECBの方針は欧州法と単一市場の基本原則に違反している」として、欧州一般裁判所に提訴していた。

欧州一般裁判所は判決の中で、ECBは「証券の清算機構の活動を規制するために必要な権限を有していない」と指摘。よって、ECBがユーロ建て証券取引の清算を行う業者に対してユーロ圏に拠点を置くよう強制することはできないとの判断を示した。

英国のオズボーン財務相は判決を受け、「我々はユーロ圏に属しているか否かにかかわらず、欧州の単一市場のすべての国々にとって公平な競争の場が必要であると一貫して主張してきた」と指摘。「今回の判決は英国にとって重要な勝利であり、欧州経済が開放的で成功していることを望む全ての人々にとっての重要な勝利だ」と語った。