欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/3/9

EUその他

EUが30年までに温効ガス40%削減、目標を国連に提出

この記事の要約

EUは6日開いた環境相理事会で、2030年までにEU全体で温室効果ガス排出量を1990年比で40%削減する目標を正式決定し、同日付で国連に提出した。12月にパリで開かれる国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP2 […]

EUは6日開いた環境相理事会で、2030年までにEU全体で温室効果ガス排出量を1990年比で40%削減する目標を正式決定し、同日付で国連に提出した。12月にパリで開かれる国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に向け、準備できる国は3月末までに目標を提出することになっており、EUの提出はスイスに次いで2番目。EUは早い段階で野心的な目標を打ち出すことで、京都議定書に代わる20年以降の温暖化対策の新たな枠組みづくりで議論を主導する狙いがある。

EUは昨年10月の首脳会議で40%の削減目標で合意した。先月末には「50年までに世界全体の温室効果ガス排出量を10年比で少なくとも60%削減する」との長期目標を盛り込んだ政策文書をまとめており、COP21で同目標を提案する方針。

欧州委員会のカニェテ委員(気候行動・エネルギー担当)は会見で、「中国や米国、他の20カ国・地域(G20)がEUに続いて3月末までに目標を提出すると期待している」と発言。また、フランスのロワイヤル環境相は「欧州は国連の求めに応じ、最初に削減目標を提出することで責任を果たした」と述べた。

世界における温室効果ガス排出量の約25%を占める中国と、同12%を占める米国は、共に今月末までに削減目標を提出する意向を表明している。両国は昨年11月の首脳会議で、温室効果ガスの新たな削減目標で合意。米国は25年までに05年比で26-28%削減する一方、中国は2030年前後をピークとして二酸化炭素(CO2)排出量を減らす方針を打ち出している。