欧州委員会は11日、インド製の延性鋼管に対する反補助金調査を開始したと発表した。インドの鉄鋼メーカーが政府の補助金を後ろ盾にして不当な廉価でEU市場に輸出している疑いが浮上しているためで、反ダンピング問題に続く調査となる。
問題となっているのは、インド製のダクタイル鋳鉄管と呼ばれる高延性鋼管。欧州委は昨年12月、インドの鉄鋼メーカーがダンピング輸出している疑いで、反ダンピング調査を開始していた。
これに続く反補助金調査は、欧州建材大手の仏サンゴバンが1月に苦情を申し立てたことを受けたもの。欧州委はインドの中央政府とグジャラート、ジャルカンド、ラジャスタン、西ベンガル州政府がメーカーに融資や信用の供与、一部の税・関税の免除といった優遇措置を適用し、実質的に不当な補助金を提供し、ダンピング輸出を後押ししている疑いがあるとして、調査開始を決めた。