欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/3/30

総合 – 欧州経済ニュース

EU航空当局が「操縦室2人常駐」を勧告、ジャーマンウイングス墜落で

この記事の要約

欧州航空安全局(EASA)は27日、旅客機の操縦室に常に2人以上の乗務員がいる規定を設けるよう欧州の航空各社に勧告した。フランス南東部で起きたドイツの旅客機の墜落が、操縦室で1人になった副操縦士によって故意に引き起こされ […]

欧州航空安全局(EASA)は27日、旅客機の操縦室に常に2人以上の乗務員がいる規定を設けるよう欧州の航空各社に勧告した。フランス南東部で起きたドイツの旅客機の墜落が、操縦室で1人になった副操縦士によって故意に引き起こされた疑いが強まっていることを受け、安全対策を強化する。

独航空最大手ルフトハンザの格安航空(LCC)子会社ジャーマンウイングスの旅客機は24日、フランス南東部の山岳地帯に墜落した。調査当局が墜落現場から回収されたボイスレコーダーを解析した結果、機長が席を離れ操縦室で1人となった副操縦士が意図的に墜落させた可能性が濃厚となっている。EASAは声明で、「航空会社は飛行機の運航中に1人の操縦士が操縦室を離れるリスクを再評価する必要がある」と述べ、飛行中は操縦士1人を含む2人以上が操縦室に常駐するよう求めた。

操縦室内を2人体制とする規定は主に米国で採用されており、操縦士の1人が操縦室を出る場合、乗務員が代わりに入る。一方、欧州では、旅客機が巡航高度に達し、1人で操縦できる状況になれば、他の操縦士はトイレなどで操縦室を離れることを認めているケースが多い。

今回の墜落を受け、ルフトハンザは27日、操縦室内に常に2人の人員がいる体制を導入する方針を表明。同社を含む業界団体「ドイツ航空協会」も同様の措置を採用することを決めた。さらに、英イージージェットやノルウェー・エアシャトルなどのLCCも相次いで導入を表明、仏蘭系エールフランスKLMなどの航空会社も導入を決めている。