欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/3/30

西欧

伊タイヤ大手ピレリ、中国企業が買収

この記事の要約

中国国営の化学メーカーである中国化工集団は23日、世界5位のタイヤメーカーである伊ピレリを買収することで合意したと発表した。買収額は71億ユーロ。欧州では資金が豊富な中国企業による買収が活発化しており、イタリアの製造業を […]

中国国営の化学メーカーである中国化工集団は23日、世界5位のタイヤメーカーである伊ピレリを買収することで合意したと発表した。買収額は71億ユーロ。欧州では資金が豊富な中国企業による買収が活発化しており、イタリアの製造業を代表する企業のひとつであるピレリも中国資本の支配下に入る。

中国化工は傘下のタイヤメーカー、中国化工橡膠を通じて、ピレリの筆頭株主である持ち株会社カムフィンが保有するピレリの株式26.2%を買い取る。その後に株式公開買い付け(TOB)を実施し、残る株式も取得する。1株当たりの買い取り価格は15ユーロ。

中国化工はタイヤ事業の欧州での販路拡大、ピレリが持つ高性能タイヤの技術獲得を目指して買収を決めた。ピレリは買収後も本社をイタリアに置き、マルコ・プロヴェーラ最高経営責任者(CEO)が同職にとどまる。