欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/4/13

東欧・ロシア・その他

ロシア政府、自動車購入の助成措置導入

この記事の要約

ロシア政府は低迷する自動車販売の下支えを目的とした助成措置を1日から開始した。所管する連邦産業貿易省によると、同措置は自動車ローンの金利補助と、自動車リース契約時の前払い金に対する補助制度の2本立てで、連邦予算から支出さ […]

ロシア政府は低迷する自動車販売の下支えを目的とした助成措置を1日から開始した。所管する連邦産業貿易省によると、同措置は自動車ローンの金利補助と、自動車リース契約時の前払い金に対する補助制度の2本立てで、連邦予算から支出される40億ルーブル(約7,100万ユーロ)に上る自動車産業助成策の一部として実施される。同国の2月の自動車販売は前年同月比で40%近く減少しており、政府は一連の措置を通じてこれ以上の販売減を食い止めたい考えだ。

今回の措置は3月末にメドベージェフ首相が発表した自動車産業に対する支援策に含まれていたもの。産業貿易省の試算では対象となるのは自動車ローンが20万台、リース契約が1万6,000台で、前者については連邦予算から15億ルーブルが支出される予定だ。

今回の助成措置により自動車ローンの金利は購入契約時における中央銀行の基準金利の3分の2に抑えることができる。しかし、対象となるのは大きさが3.5トン以下で価格が100万ルーブル以下の小型乗用車及び商用車で、該当するのが主に国産の大衆車となることから、同助成措置はロシア製自動車に対する保護政策にも映る。一方、リース契約に対する助成は前払い金の10%以上を補助するというもので、あらゆる法人及び個人が対象となる。

ロシアでは昨年12月、中央銀行が政策金利を17%に引き上げた。ルーブル下落に歯止めを掛けるためだったが、自動車ローンの金利も20%を上回る結果となり、販売の低迷に拍車がかかっている。

今回の措置について専門家からは「せいぜい市場の縮小幅を小さくできるだけ」という悲観的な声も聞かれる。