欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/4/20

総合 – 欧州経済ニュース

仏政府が財政改善措置を発表、17年の財政赤字比率2.7%に

この記事の要約

フランス政府は15日、EUの財政赤字基準の達成に向けた財政改善措置を発表した。今後2年間にわたって90億ユーロを節減し、2017年までに財政赤字を国内総生産(GDP)比で2.7%に抑えるとしている。 財務省によると、今年 […]

フランス政府は15日、EUの財政赤字基準の達成に向けた財政改善措置を発表した。今後2年間にわたって90億ユーロを節減し、2017年までに財政赤字を国内総生産(GDP)比で2.7%に抑えるとしている。

財務省によると、今年は社会保障費と医療費の抑制や債務支払い負担の減少により40億ユーロを節減、来年は50億ユーロの節減を予定している。これにより、財政赤字比率は今年の3.8%から来年は3.3%に低下する見通しだ。

EUの財政規律を定めた安定成長協定では、各国は単年の財政赤字をGDP比3%以内に抑える義務を負う。財政規律の違反が続く国にGDPの0.5%に相当する制裁金を科すことになっているが、欧州委は2月、フランスが厳しい経済環境に直面していることなどを考慮し、制裁発動を見送ると同時に、是正期限を17年に延長することを決め、3月に加盟国の承認を得た。

今回発表された財政改善措置によると、実際の財政赤字から税収など景気に左右される部分を差し引いた構造的財政赤字を16年と17年にそれぞれGDP比0.5%縮小するとしている。欧州委は先に、構造的財政赤字を16年に0.8%、17年に0.9%それぞれ縮小するよう求めていた。サパン財務相は記者会見で、構造的財政赤字目標を厳格に順守すると「経済成長と失業改善を妨げることになる」との認識を示し、この問題について引き続き欧州委と協議していく考えを明らかにした。