欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/5/18

総合 – 欧州経済ニュース

ECB総裁、量的緩和は「必要な限り継続」

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は14日、国際通貨基金(IMF)の本部で行った講演で、3月に開始した量的金融緩和を「必要な限り継続する」と述べ、予定より早く打ち切る考えがないことを確認した。 ECBはデフレ回避、景気対 […]

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は14日、国際通貨基金(IMF)の本部で行った講演で、3月に開始した量的金融緩和を「必要な限り継続する」と述べ、予定より早く打ち切る考えがないことを確認した。

ECBはデフレ回避、景気対策として、ユーロ圏の国債などを買い取る量的緩和策を3月に開始。買い取り規模は毎月600億ユーロで、2016年9月またはユーロ圏のインフレ率が2%前後に上昇するまで続ける方針を打ち出している。

ユーロ圏ではマイナスとなっていたインフレ率が4月に0%まで持ち直し、景気回復も進んでいる。これに関してドラギ総裁は、低金利政策と合わせて「相当の効果が出ている」としながらも、「約7年にわたって危機的な状況が続いた後だけに、企業も家庭もリスクに極めて慎重になっている」と述べ、「成功を宣言するまでには時間がかかる」と指摘。物価、景気見通しと消費者の景況感は上向いているが、「重要なのは投資と消費、インフレ率に同等の効果をもたらすことだ」として、量的緩和の継続を明言した。