欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/4/7

西欧

独BASFが戸田工業と合弁交渉、電池正極材分野で

この記事の要約

独化学大手BASFは3日、戸田工業とリチウムイオン電池用正極材の合弁会社設立に向けた交渉を開始したと発表した。バッテリー材料事業を強化する戦略に基づくもので、「戸田工業との合弁事業により、BASFはグローバルのバッテリー […]

独化学大手BASFは3日、戸田工業とリチウムイオン電池用正極材の合弁会社設立に向けた交渉を開始したと発表した。バッテリー材料事業を強化する戦略に基づくもので、「戸田工業との合弁事業により、BASFはグローバルのバッテリー材料市場において、さらなる事業の拡大と成長を加速していく」としている。

両社は合弁会社を日本に設立し、BASFが過半数を出資する方向で交渉を進めている。BASFはロイター通信に対して、交渉は年内に終了するとの見通しを示した。

同合弁ではNCA(ニッケル系正極材)、LMO(マンガン系正極材)、NCM(三元系正極材)といった多様な正極材料の製造、マーケティング、販売事業を展開する方針。両社は正極材(CAM)事業や知的財産権、日本の製造設備・拠点などを統合する。

戸田工業の久保田正社長はリチウムイオン電池市場における成長のカギとして、「製品開発」「性能」「コスト」「供給規模・能力」の4点を指摘。BASFとの合弁によるシナジー効果で、これらをすべて強化できるとの見方を示した。

BASFはバッテリー事業を強化しており、これまでにニッケル水素電池向け材料大手の米オボニック・バッテリー・カンパニー、電解液メーカーの米ノボライト・テクノロジーズ、独メルクの電解液事業を買収した。