欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/7/13

西欧

復星国際、独名門銀行H&Aを買収

この記事の要約

中国の複合企業・復星国際は8日、ドイツの老舗プライベートバンク、ハウク・ウント・アウフホイザー(H&A)の株式80%強を複数の株主から取得することで合意したと発表した。残り20%弱の取得も目指しており、全株を獲 […]

中国の複合企業・復星国際は8日、ドイツの老舗プライベートバンク、ハウク・ウント・アウフホイザー(H&A)の株式80%強を複数の株主から取得することで合意したと発表した。残り20%弱の取得も目指しており、全株を獲得すると買収金額は2億1,000万ユーロに達する。ドイツの銀行を中国企業が買収するのは初めて。復星国際はH&Aを欧州事業拡大の橋頭保として利用する考えだ。取引の成立には独金融監督庁(BaFin)など当局の承認が必要となる。

H&Aは1796年創業の名門銀行。株式合資会社(KGaA)の形態をとっており、株主には太陽電池大手ソーラーワールドのオーナーであるアスベック家や、菓子大手ハリボのオーナー一族リーゲル家といった事業家・資産家が名を連ねている。過半数の株主が属するH&Aの株主委員会は今回、復星国際の買収提案を受け入れるとともに、同委に属さない株主に対し提案受け入れを促した。

復星国際は2013年、仏リゾート施設運営会社クラブ・メディテラネを仏アクサ・プライベート・エクイティと共同買収。昨年にはポルトガル保険最大手のカイシャ・セグロスを傘下に収めた。独アパレル大手トム・テイラーの株式(23.16%)も保有する。

H&Aは復星国際の傘下に入ることで事業の国際化とデジタル化を推し進める考えだ