欧州委員会は20日、製缶大手の米ボール・コーポレーションが英同業レクサムを買収する計画について、競争上の懸念があるとして初期審査での承認を見送り、本格的な調査を開始したと発表した。改めて詳細な調査を行い、11月25日までに買収の可否を最終判断する。
両社は飲料用缶の2大メーカーで、世界シェアはそれぞれ5分の1を超える。ボールは2月、レクサムを44億3,000万ポンド(約63億7,000万ユーロ)で買収することで合意していた。
欧州委は初期審査の結果、欧州の飲料用缶市場でレクサムは1位、ボールは2位となっており、欧州の缶工場の約3分の2を両社が保有していることから、買収によってボールの寡占が進み、他社が太刀打ちできなくなる恐れがあると判断。飲料用缶の価格が上昇し、消費者に商品値上げとなって跳ね返る懸念があるとして、本格的な調査の開始を決めた。