欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/7/27

西欧

ロシュ、がん免疫治療薬を来年投入へ

この記事の要約

スイスの製薬大手ロシュは23日、同社初のがん免疫治療薬「アテゾリズマブ」を来年にも投入する意向を表明した。ライバルの米ブリストル・マイヤーズ・スクイブとメルクはすでにがん免疫治療薬を販売しており、追撃する形となる。 がん […]

スイスの製薬大手ロシュは23日、同社初のがん免疫治療薬「アテゾリズマブ」を来年にも投入する意向を表明した。ライバルの米ブリストル・マイヤーズ・スクイブとメルクはすでにがん免疫治療薬を販売しており、追撃する形となる。

がん免疫治療薬は患者の免疫システムを利用する新しいタイプの医薬品で、将来性が高く評価されている。アテゾリズマブは膀胱がん治療薬で、米食品医薬品局(FDA)から画期的治療薬に指定されており、ロシュは来年初頭に認可申請を行い、同年末に市場投入したい考えだ。肺がん治療でも治験が行われており、同分野での認可申請も視野に入れている。

同時に発表した2015年1~6月期の売上高は235億8,500万スイスフラン(約223億ユーロ)となり、前年同期から3%増加した。スイスフランが米ドル以外の主要通貨に対して上昇し、収益が目減りしたものの、医薬品、診断の両部門がともに好調で増収となった。

純利益は7%減の52億4,900万フラン。比較対象の14年上半期に好中球減少症治療薬「フィルグラスチム」の権利売却で4億2,800万フランの特別利益を計上した反動が出た。