欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/5/12

西欧

バッテンフォール、CO2回収貯留の研究開発断念

この記事の要約

欧州電力大手のバッテンフォール(スウェーデン)は6日、二酸化炭素(CO2)の回収貯留(CCS)技術の研究開発を中止することを決めたと発表した。同社は石炭火力発電所の温室効果ガスを削減するため、10年以上前から技術開発に取 […]

欧州電力大手のバッテンフォール(スウェーデン)は6日、二酸化炭素(CO2)の回収貯留(CCS)技術の研究開発を中止することを決めたと発表した。同社は石炭火力発電所の温室効果ガスを削減するため、10年以上前から技術開発に取り組んできたが、コスト面などの障害が多く、近い将来の実現が難しいと判断し、継続を断念した。

バッテンフォールは石炭火力発電で欧州有数の企業で、ドイツ、デンマーク、オランダの14カ所で石炭火力発電所を運営している。これらの出力(2013年末時点)は1万1,300メガワットで、発電量全体の40%を占める。

同社は当初、2016年に石炭火力発電所でCCS技術を採用する計画だった。しかし、技術開発が難航し、ドイツ東部イェンシュバルデに試験プラントを開設する計画を2011年に断念。同年末に採用開始の目標を2025年に繰り下げた。それでも見通しが厳しいことから、同プロジェクトから撤退し、より早期に事業に貢献できる分野に研究開発を絞り込むことを決めた。