欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/8/17

EU情報

ユーロ圏の4~6月GDPは0.3%増、上げ幅は0.1ポイント縮小

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットが13日発表したユーロ圏の2015年1~3月期の域内総生産(GDP、速報値)は実質ベースで前期比0.3%増となり、上げ幅は前期の0.4%から縮小したものの9四半期連続でプラス成長を記録した。ギリシ […]

EU統計局ユーロスタットが13日発表したユーロ圏の2015年1~3月期の域内総生産(GDP、速報値)は実質ベースで前期比0.3%増となり、上げ幅は前期の0.4%から縮小したものの9四半期連続でプラス成長を記録した。ギリシャの債務問題で大きく揺れたが、ユーロ安、原油価格の下落に支えられ、小幅ながら伸びた。(表参照)

前年同期比の成長率は前期を0.2ポイント上回る1.2%。EU28カ国ベースの成長率は前期比0.4%、前年同期比1.6%だった。伸び率は前期比が前期と同水準で、前年同期比は0.1ポイント拡大した。

今回の速報値は、これまでにデータが出そろっている22カ国の統計に基づいて算出された。前期比のGDPを国別にみると、ドイツはユーロ安が追い風となって輸出が伸び、上げ幅は0.4%と前期を0.1ポイント上回った。スペインも0.1ポイント増の1%に拡大した。このほかギリシャが、支援問題をめぐって混迷したにもかかわらず0.8%増となり、横ばいだった前期から大きく回復した。経済を支える観光業が好調だったほか、先行き不安への防衛策として消費者による耐久消費財の購入が活発化し、個人消費が押し上げられたことが反映されたとみられる。

一方、前期に0.7%増だったフランスは設備投資、個人消費が停滞し、ゼロ成長に失速。イタリアは前期を0.1ポイント下回る0.2%増にとどまった。