欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/9/7

EU情報

ギリシャ総選挙、与野党の支持率が逆転

この記事の要約

ギリシャで20日に実施される総選挙で、チプラス前首相率いる与党・急進左派連合(SYRIZA)が劣勢に立たされている。国内のテレビ局が2日報じた世論調査によると、支持率は最大野党の新民主主義党(ND)が25.3%となり、S […]

ギリシャで20日に実施される総選挙で、チプラス前首相率いる与党・急進左派連合(SYRIZA)が劣勢に立たされている。国内のテレビ局が2日報じた世論調査によると、支持率は最大野党の新民主主義党(ND)が25.3%となり、SYRIZAの25%をわずかながらリード。SYRIZAが1月に政権を握ってから、初めて支持率が逆転した。

支持率はネオナチ政党の極右「黄金の夜明け」が5.5%で3位。チプラス氏の反緊縮策放棄に反発したSYRIZAの造反議員が立ち上げた新党の民衆統一は4位の4%にとどまった。前政権を率いたNDとSYRIZAの一騎打ちの様相となっている。

チプラス氏は財政緊縮策の放棄を掲げていたが、ギリシャの経済、財政の破綻を回避するため、EUなど債権者が要求する年金削減など緊縮策の受け入れに転じ、第3次の金融支援を取り付けた。総選挙実施には、この方針転換に対する国民の信任を得て、揺らいでいる政権基盤を立て直す狙いがあるが、緊縮策をめぐる迷走で求心力が低下しており、これまでのところ賭けは裏目に出た格好だ。政治家の支持率調査でも、NDのメイマラキス党首が44.3%と、チプラス氏の41.9%を上回っている。