欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/9/14

西欧

ABBが組織再編、送電設備は合弁化・売却も

この記事の要約

スイスの重電大手ABBは9日、組織再編計画を発表した。業績不振を受けた措置で、顧客企業のニーズを踏まえて5部門体制を来年1月1日付で4部門体制に変更する。最大の事業である送配電向け製品事業については、他社との合弁化や売却 […]

スイスの重電大手ABBは9日、組織再編計画を発表した。業績不振を受けた措置で、顧客企業のニーズを踏まえて5部門体制を来年1月1日付で4部門体制に変更する。最大の事業である送配電向け製品事業については、他社との合弁化や売却も辞さない方針だ。

同社はこれまで事業を設備や電子製品を過負荷から守るスイッチ、制御製品などの「低電圧機器」、工業生産性とエネルギーの効率化を向上させる製品「オートメーション・モーション」、プラントの制御や最適化を顧客に提供する「プロセスオートメーション」、送配電のための主要な設備「パワープロダクト」、送配電網や発電所のためのパッケージシステムとサービスを提供する「パワーシステム」の4部門に編成してきた。来年からは「送配電向け製品」と低・中電圧製品を取り扱う「電化製品」の2部門を新設し、これまでの5部門のうち3部門を統合。オートメーション・モーションとプロセスオートメーションは現在の体制に据え置く。

送配電向け製品事業はABBの売上高(400億ドル)の30%以上(126億ドル)を占めており、同社はこの分野で世界最大手となっている。だが、収益力が低く、株主から批判が出ており、経営陣は合弁会社への移管など戦略的な措置の検討に入った。

ABBはまた、コスト削減の拡大方針も明らかにした。石油安や新興国の景気減速を受けて業績が圧迫されているためで、管理部門のコストを2017年末までに10億ユーロ圧縮する。国外の周辺事業からも撤退する意向だ。