欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/10/5

西欧

ネスレが高級チョコ市場に本格参入、主要空港で「カイエ」販売

この記事の要約

スイスの食品大手ネスレは9月30日、高級チョコレート「カイエ」の販売網を欧米やアジア市場に拡大すると発表した。急速に拡大する高級チョコレート市場にスイス最古のブランドを投入し、先行する「ゴディバ」などを追撃して収益拡大を […]

スイスの食品大手ネスレは9月30日、高級チョコレート「カイエ」の販売網を欧米やアジア市場に拡大すると発表した。急速に拡大する高級チョコレート市場にスイス最古のブランドを投入し、先行する「ゴディバ」などを追撃して収益拡大を図る。

カイエは1819年の創業で、スイス国内では「リンツ」「ショコラ・フレイ」と人気を3分している。世界のチョコレート市場では高級ブランドの売り上げが年10%のペースで拡大しているが、ネスレでは「キットカット」や「エアロ」といった大衆向けの商品が中心で、高級市場への本格参入が遅れていた。

発表によると、ネスレは10月1日から米インターネット通販大手アマゾンを通じ、米国、英国、ドイツでカイエの販売を開始する。同時にジュネーブ、チューリヒ、ドバイ、シンガポールの各空港に出店する。さらに11月中旬には中国でもアマゾンでの取り扱いを開始する。

菓子事業の統括責任者サンドラ・マルチネス氏は「高級チョコレート市場への参入で後れを取ったことはわかっている。だからこそ通常の販売ルートとは別の道を探った」と説明。「カイエには高い品質、独自のブランドストーリーとブランドイメージという、高級チョコレートに求められるすべての特徴が備わっている」と述べ、世界市場で広く消費者にアピールできるとの考えを強調した。