欧州議会は6日、EUに地理的表示保護制度の拡大を求める決議案を賛成多数で採択した。現在は農産品に限定されているが、品質や評価が原産地と結びつく工業製品、工芸品も対象に含めるよう欧州委員会に求めていく。
欧州議会が地理的表示の保護拡大が必要な例として挙げたのは、チェコの「ボヘミア・ガラス」、英国の「スコットランド・タータン」、イタリアの「カッラーラ大理石」など。決議案を提出したロジエール議員(仏)は、EUが制度を拡大することで域内の地方経済を支えるほか、消費者の信頼感を強めるといった効果があると強調した。
決議に法的拘束力はない。欧州委のベラ・ヨウロワー委員(司法・消費者・男女平等担当)は、地理的表示保護を工業製品に拡大することは地域の生産者にとって大いに有益としながらも「費用対効果を慎重に検証する必要がある」と述べた。