カナダのカリ肥料大手ポタシュは5日、独同業K+Sへの買収提案を撤回すると発表した。K+S側が拒否の姿勢を崩さないほか、一次産品と株式市場が急速に悪化したことから、買収を断念した。
ポタシュは5月31日、K+Sを1株当たり41ユーロで買収することを打診した。これは過去1年間の加重平均株価を59%上回る水準で、総額は79億ユーロだった。
これに対しK+Sは同社の価値を過小評価しているなどとしてポタシュとの交渉開始を拒否。K+Sの地元ヘッセン州の政治家もK+S支持の姿勢を打ち出していた。
世界経済の減速を受けて肥料業界を取り巻く環境が悪化したことも追い打ちとなった。ポタシュによると、カリ肥料メーカーの株価はK+Sへの買収打診後、平均およそ40%下落。肥料市場の先行き懸念が強まっており、K+Sの買収を強行することは得策でないと判断した。