2015/11/2

EU情報

加盟国が17年9月の実走行試験導入で合意、移行期間は排ガス規制値の超過容認

この記事の要約

EU加盟国の代表で構成する自動車技術委員会は10月28日、域内で販売される自動車の排ガス試験について、2017年9月から新たに「RED(Real Driving Emissions)」と呼ばれる実走行試験を導入することを […]

EU加盟国の代表で構成する自動車技術委員会は10月28日、域内で販売される自動車の排ガス試験について、2017年9月から新たに「RED(Real Driving Emissions)」と呼ばれる実走行試験を導入することを決めた。独フォルクスワーゲン(VW)による規制逃れを受けて検査を厳格化し、室内での試験に加えて実際の路上走行時の排ガス量を測定する。ただし、一定期間は路上試験での窒素酸化物(NOx)排出量について規制値の超過を容認するなど、検査体制の変更に伴うメーカー側の負担を考慮した移行措置も導入される。

技術委ではフランスやスペインが技術面やコスト面を理由に実走行試験の導入時期を遅らせるよう求めたが、採決の結果、17年9月からの導入が賛成多数で承認された。第1段階として新たに型式認証を受けるすべての新型車にRED規制を適用し、2年後に域内で販売される既存モデルの新車に対象を拡大する。

ただ、完成車メーカーはあらゆる環境や条件下で室内での試験と同じ規制値を満たさなければならないため、業界側からは技術的に対応が困難といった声が上がっている。欧州委によると、路上走行時におけるディーゼル車のNOx排出量は現行規制の排出上限(走行1キロメートルあたり0.08グラム)の平均5倍に上るという。このため欧州自動車工業会(ACEA)は先に声明を発表し、現実的な時間枠や条件を設けないまま排ガス試験が過度に厳格化された場合、メーカー側は適切に対応できず、欧州市場でディーゼル車を販売できない事態に陥りかねないと警告していた。

欧州委はこうした現状を踏まえ、RED規制の導入から2年間に限り、走行時のNOx排出量が規制値を最大6割まで超過することを認める移行措置を提案したが、加盟国からはさらに条件の緩和を求める声が上がっていた。技術委では最終的に、新型車は19年末(既存モデルは20年末)まで規制値の2.1倍、その後は1.5倍まで超過を認める案が承認された。

一方、欧州議会は10月27日に開いた本会議で、17年9月から実走行試験の全面的な導入を求める決議を賛成多数で可決した。2年間の移行期間を設ける欧州委の原案をさらに厳格化した内容で、NOx以外に硫黄酸化物(SOx)や粒子状物質(PM)なども対象に加えるよう求めている。